旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
「私――」


 それから隆二さんと紀子の仕打ちをすべて打ち明けてしまった。

 結婚式に新しい彼氏と出席すると虚勢を張ったことまで。


「そうだったのか。つらかったな」


 彼は自分のことのように顔をしかめて、私の肩を力強く抱く。

 そして自分の肩に私の頭を寄りかからせる。


 泣かせてくれるという意味だと感じた私は、それから涙を止める努力もせず、気の済むまで流し続けた。


「ごめんな、さい」


 しばらくして離れると、彼は小さく首を横に振る。


「七瀬に非はない。堂々としていればいい。俺が必ず守ってやる」


 隆二さんと同じ会社で働いているのがつらい、辞めてしまいたい、と漏らしたからだろうか。
 彼は強い口調で言いきる。


 けれども、私たちの交際は社内の一部の人たちには知られている。

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