旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
「アメリカから戻ってきて、七瀬には随分助けられた。チームの皆との仲を何度も取り持ってくれただろ」


 たしかに何度か偉そうにくぎを刺した。

 でも、打ち解けてきたのは、彼自身の努力や情熱がチームの皆に認められたからだ。

 私はつまずきそうになったときに手を差し出しただけ。


 小さな反発はあれど、それは互いに今のプロジェクトに真剣に取り組んでいる証だし、必ず最後は〝相馬さんって、できる人だな〟というところに行きつく。


「誰にも話すなと言うなら、俺の胸の内にだけとどめておく。こんなお前をひとりで帰せないんだ」


 そう力説されて相馬さんのほうに顔を向けると、彼は私を見つめて優しく微笑んでいた。


「すごく重い話ですよ?」

「わかってる。そうじゃないと、七瀬は泣いたりしないだろ?」


 たしかに、仕事がうまくいかないとか隆二さんとケンカをした程度では泣いたりしない。


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