御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
その数日後、兄さんに勘違いの令嬢が来たと噂で聞いた。アポなしで婚約者と言って現れるって…

流石に兄さんを気の毒に思う。

昔から、兄さんの周りには勘違い女が多かった事を思い出す。

もちろん親父も知っていて、令嬢が現れた日に実家に帰った時、真相を聞いた。

西園さんが話をつけてくれたって…

兄さんの想いは全く伝わっていないのか…


そんな話題の後、年末に近づき俺達の部署もかなり忙しく、兄さんの事を気にしている余裕もなかった。

ただ、親父から12月29日は空けとけと言われた。普段、特に煩い事を言わない親父が有無を言わせぬ雰囲気だったので、気になりながらも何故かは聞かずに空けていた。

何があるのか知ったのは、クリスマスも過ぎた頃。
「お袋、12月29日に予定を空けとけって親父に言われたけど、何があるのか知ってるか?」

「えっ、あなた聞いてないの?」

「何も聞いてない」

「はぁ~キチンとしたスーツ持ってるわよね」

「普通のスーツじゃダメなの?」

「そうよ!」

「まだ、買ったまま着てないオーダースーツがあったはず」

「じゃあ、それ着なさい」

「で、どこ行くんだよ?」

「西園寺グループの年末のパーティー」

「…はぁ??」驚き固まる俺。

「何故かわが家に招待状が来たの」

「…」

何が起こっているか想像もつかなかったが、パーティーの後から急展開が待っていて、俺の人生も大きく変えたのだった。



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