One s death -the last sword-
「いえ、ありがたいです。すっごく寒いし…。ありがたくいただきます」
「あ、私の事は…タリーとお呼びください」
「…タリーさん」
それから間もなく、馬車は進み始めた。
膝を胸に近づけ抱えこんだ格好で紅茶をちびちび飲む俺を見て、微笑みながらレベッカはタリーさんと話している。
「ラ・サズリック王国までですか。それは丁度良かった。実は私、出身がラ・サズリック王国の農村でして」
「そうですか。今は…、どんな感じなんですか?」
俺と目を合わせないまま、できるだけ声音を変えずにレベッカはそう聞いた。
2人とも、お互いに目を合わせないままタリーさんの次の言葉を静かに待った。
「『あれ』から7年ですね…。前と比べられたらまだまだですけど、皆笑顔を取り戻してまた素晴らしい国にしようと、必死に頑張っていまう。そんな私達を見てくださっていたかつての友好国の王、キルクバルク様が援助をしてくださって…。少しずつですが、緑も増えてきました」
沈黙が、訪れた。
そうだ、そうだったんだ。
ラ・サズリック王国は、王がいない。
全てを判断し、民を指揮する王がいない。
全てを奪われ、1から自分達だけで頑張ったんだ。
1つの国をどこよりも美しくしようと。
「あ、私の事は…タリーとお呼びください」
「…タリーさん」
それから間もなく、馬車は進み始めた。
膝を胸に近づけ抱えこんだ格好で紅茶をちびちび飲む俺を見て、微笑みながらレベッカはタリーさんと話している。
「ラ・サズリック王国までですか。それは丁度良かった。実は私、出身がラ・サズリック王国の農村でして」
「そうですか。今は…、どんな感じなんですか?」
俺と目を合わせないまま、できるだけ声音を変えずにレベッカはそう聞いた。
2人とも、お互いに目を合わせないままタリーさんの次の言葉を静かに待った。
「『あれ』から7年ですね…。前と比べられたらまだまだですけど、皆笑顔を取り戻してまた素晴らしい国にしようと、必死に頑張っていまう。そんな私達を見てくださっていたかつての友好国の王、キルクバルク様が援助をしてくださって…。少しずつですが、緑も増えてきました」
沈黙が、訪れた。
そうだ、そうだったんだ。
ラ・サズリック王国は、王がいない。
全てを判断し、民を指揮する王がいない。
全てを奪われ、1から自分達だけで頑張ったんだ。
1つの国をどこよりも美しくしようと。