One s death -the last sword-
辛いのは、俺だけじゃない。
俺はタリーさんの笑みを見て、目を背けたくなった。
歯をくいしばり、できるだけ体を小さくした。
そして、真上に来ている太陽を見ないように目を閉じた。
「それから、新しい王を待つ人も多くなってきたんです」
「…え?」
レベッカの驚きの声が、聞こえる。
絶望の中に、一筋の光が見えた気がした。
「『あの時』、王族は王太子殿下を残し滅びました。国中を滅茶苦茶にされて、残されたのは絶望だけでした。ですが時間が経ち、少しずつ前を向き始められるようになると、少しずつ王族の王太子殿下を信じるようになったんです。今どこにいるのか分かりませんけど、いつの日かラ・サズリック王国に戻り王になられると、皆信じてくれるようになってきたんです」
今、ラ・サズリック王国に差し込んだ一筋の光が俺だ。
タリーさんが話している王太子殿下は、レディックの事なんだ。

…俺は、民が望む王なんだろうか?
何かが、頭の中で弾けた。
急に視界が黒に染まり、肩の力が一瞬にして抜ける。
瞼が、自分の力で持ち上げられない程重い。
がくんと、勢いをつけて首が落ちる。
骨が砕けた気がした。
全てが終わったらいいのに…。
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