再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
深い愛情がゆえに~坂井先生side~
『会いたい…』


ただそれだけの思いで、僕はここにきた。


この辺りのマンションだと、以前、看護師達が話してるのをたまたま聞いていた。


ここで待つか…


決してストーカーになるつもりはない。


でも…


愛莉ちゃんが病院に来なくなってから、1度も顔を見ていない。


それが、僕にはとてもつらくて。


空を見上げたら、いつもの月が見える。


ただ、ここからの眺めは、あまり好きじゃない。


やっぱり…


あの病室から見える月が1番美しい。


妖艶な光を放つ、あの月が。


あの日、愛莉ちゃんがすぐ側にいたのに、僕の気持ちを受け入れてもらうことが出来なかった。


なぜだ?


そう考えて、いつも頭に浮かぶのは菅原先生のこと。


彼は、愛莉ちゃんの幼なじみ。


子どもの頃からの知り合いっていうだけなのに、どうしてか、2人の繋がりが無性に気になってしまう。
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