再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
瑞…


そんな風に言ってくれて、ちょっと救われる。


だけど、余計に小川先生の顔が強ばった気がした。


『パパが花が好きだからここに飾ってもらってるけど、私は正直あんまり好きじゃないのよね。どちらかと言えば観葉植物の方が癒されるわ』


『そう?俺は花があれば癒されるけど』


『そ、そうなんだ。ねえ、瑞先生。そんなことより、今夜のカンファレンスのことでちょっと話したいんだけどいい?斉藤さんには難し過ぎて頭が痛くなっちゃうかも知れないし、あっちで話さない?』


そんなことよりって…


明らかに小川先生の敵対心を感じるんだけど。


『…ああ、わかった。愛莉、気をつけて帰れよ』


『う、うん。ありがとう』


私は、2人から離れて賢人君のところに戻った。


『ごめんね。1人で片付けさせて』


『いえ、大丈夫です。それより、小川先生、かなりキツいですね』


賢人君が小声で言った。


『聞こえてた?』


『すみません。小川先生、声が大きいから聞こえてました』
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