再会は魔法のような時を刻む～イケメンドクターの溺愛診察～

偶然の再会

10月初旬の風は少し肌寒い。


特に朝夕は、上着が必要だ。


あんなにも暑い日が続いた夏が、もうずっと遠く前のことだったような気がする。


私は花屋の仕事を終え、真っ直ぐ家に帰った。


1人暮らしのマンションは、仕事場からそう遠くない場所にある。


通い慣れた道を自転車で走った。


何だか今日はやけに疲れて…


ペダルがいつもより重く感じる。


マンションが見えてきて、駐輪場に入れるために、自転車を押しながら歩いていた時、


『愛莉！！』


突然、誰かが私の名前を呼んだ。


この声、聞き覚えがある。


『何で？何で愛莉がここにいる？』


え…


誰？


目の前にいる、この超絶イケメンは…


いったい誰なの！？


どうして私の名前を知ってるの？


『無視するなよ、俺だよ』


その声…


その懐かしい声は…


『ま…まさか、瑞？』


『まさか…って』


『瑞なの？ほんとに！？』


うなづくイケメン。


う、嘘だー！