黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 伊尾さんは、テーブルのすみに置いてあった伝票を当然のように持ち上げる。

「あ、あの」

 私たちの食事代を払ってくれるつもりなのかな。

 慌てて私が伝票を取り返そうとすると、伊尾さんは首を横に振った。

「同窓会、仕事で行かせてやれなかったお詫びだ」
「でも……」

 たまたま会っただけなのに、おごってもらうなんて申し訳ない。
 
 私が戸惑っていると、隣で恵が「わーい。ごちそうさまです」とかわいらしくお礼を言った。
 
 恵は恋愛経験豊富で、男性におごられなれているんだろう。
 
 それに対して、本当に払ってもらっていいのかな、といつまでも戸惑っている私。
 すると、ヒールを履いた恵の足がテーブルの下で私を蹴った。

「いたっ」
 
 驚いて恵を見る。
 彼女は私に『さっさとお礼をいいなさい』と視線でアドバイスしてくる。

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