黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「少しひとりにするけど、おりこうにしているんだよ。次に戻るときは、クスリを持ってきてあげるからね」

 まるで飼い犬にでも話しかけるような口調で言ってこちらを見下ろす。

 私が鋭い視線でにらみ返すと、彼は小さく肩を上げ部屋から出ていった。

 扉が閉まった後、がちゃりとカギがかかる音がした。


 足音が遠ざかっていくのを確認してから、私ははぁーっと息を吐きだす。

 必死に強がっていたけれど、緊張で手のひらが汗ばんでいた。
 膝も小さく震えている。

 私は天井をあおぎ、ゆっくりと呼吸をした。

 落ち着け。
 なんとかして、ここを逃げ出さないと。
 そして、伊尾さんたちに連絡を……。
 
 でも、スマホはもちろん、私の荷物は取り上げられていた。
 
 部屋を見回したけれど、外に連絡を取れるようなものは一切ない。

 ドアにはカギがかけられている上に、建物の中には呉林くんたちがいる。
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