黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 だけど、伊尾さんがここへ私を助けに来たと知ったら、焦りでなにをしでかすかわからない。
 
 私が首を横に振ると、伊尾さんは厳しい表情を私に向ける。
 
「いいから、早く隠れろ」
 
 体の芯が震えるような低い声で言われ、私は歯をくいしばる。
 彼の言う通り段ボールの陰に身を隠した。
 
 それと同時に、ガチャリとカギを回す音がしてドアが開いた。
 入ってきたのは呉林くんと、チンピラ風のふたりの男。

「佐原さん、お待たせ。約束通り、クスリ持ってきたよ」

 そう言いいかけた呉林くんが、室内の異変に気付き、足を止める。
 
 部屋の中にいるはずの私の姿はなく、かわりに伊尾さんがいたんだ。
 驚くのも無理はない。

「……伊尾さん、でしたっけ。どうしてあなたがここにいるんですか」

 呉林くんが伊尾さんを見ながら顔を引きつらせる。

< 159 / 219 >

この作品をシェア

pagetop