黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 事務所のデスクにつっぷしてつぶやくと、先輩たちの雑談が聞こえてきた。

「そういえば、伊尾のやつ。最近、仙台の事務官とよくやりとりしてるらしいぞ」

 伊尾さんの名前に、ぴくりと耳が反応する。
 仙台といえば、東北地区を管轄する東北厚生局の中にある仙台麻薬取締部のことだ。

「仙台かぁ。あそこにはとびきり美人の職員がいるらしいよなぁ」
「あぁ、ものすごく色っぽいって聞いたことがある」

 先輩たちが頬杖をつきながら、そんな話で盛り上がる。

 伊尾さんが、東北厚生局の美人職員と連絡を取り合っている……!?


 突然でてきた伊尾さんの浮気疑惑に、私はひとり青ざめる。

 いやいや。
 伊尾さんは私を好きだと言ってくれた。
 彼はぶっきらぼうだけどとても優しくて誠実だ。
 ほかの女性と浮気したりするわけない。

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