黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 私はごくりとつばを飲む。

「用事なんてないですっ! ものすごく暇です!!」

 肩に力をこめて全力でうなずくと、伊尾さんは目元をゆるめて笑った。

「よかった。お前に会わせたい人がいるんだ」

 そう言われ、肩すかしをくらった私はきょとんと眼をたまたかせる。

「会わせたい人、ですか……?」

 てっきりふたりっきりで甘い時間を過ごすのかと思ったのに。

 大きな落胆と少しの安堵が込み上げてきて、私は大きく息を吐きだした。








 

 翌日の土曜日。

 私は伊尾さんにある場所に呼び出された。
 
 緑豊かな公園のそばにある静かなカフェ。

 私は足を止め、外からその建物を眺める。
 ガラス張りの店内にはたくさんの鉢植えがおかれている。
 緑であふれた素敵なお店だ。

 午前中だからか、まだ店内にいるお客さんは少なそうだ。
 
 伊尾さんはもう来てるのかな……。
< 195 / 219 >

この作品をシェア

pagetop