冷酷御曹司と仮初の花嫁
「あら、大事な商談の前にわざわざ来てくださってありがとう。お花大好きだから嬉しいわ。お仕事頑張ってね。でも、またゆっくりとコーヒーでも飲みにきて」

「ああ。商談が終わったら、また寄るよ。麗奈の美しい顔を見てから商談に行くと、上手くいく」

「あら、そんなことないと思うけど、そうおっしゃるならそうなのかも。では商談が終わった後に何もなければ、お寄りになって。お待ちしていますわ」

「ありがとう。じゃ、また来るよ」

「ありがとうございました」

 以前、クラブのママをしていた時のように着物を着ているわけでもないし、ドレスを着ているわけでもないけど、麗奈さんは普通のブラウスにスカートいう姿でもとっても綺麗だった。凛とした物腰に穏やかな表情は守ってあげたいと思わせるくらいに、女の私から見ても羨ましくなるくらいだった。穏やかな微笑みの前に後ろ髪を引かれながら、出ていった。

「相変わらずだね。麗奈さんのモテっぷり。あれじゃ、今晩、もう一度来るかもしれないな。女として魅力的だから、男も傍でいるだけで幸せになるだろうな」

「本当ね。麗奈さんくらい綺麗だったら、人生順風満帆かもしれないわね」

「陽菜さんも千夜子さんの店で働けば、磨かれていい感じになるかもしれないよ。千夜子さんなら、陽菜さんを一気にブラッシュアップだね。頼んでみる?」

「磨かれなくてもいいから。だって、千夜子さん怖いもの。きっと、いっぱいダメだしされる。私、女子力が低いのよ」


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