ズルくてもいいから抱きしめて。
マジか〜ほんとツイてない。

この足でプロポーズどうすっかな、、、。

「天城さん！ご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ありませんでした！」

山口さんは、申し訳なさそうに必死に頭を下げていた。

「いやいや、頭上げてください。山口さんのせいじゃ無いです。お手伝いのつもりが却って余計な仕事を増やしてしまって申し訳ないです。」

「余計なことじゃないですよ！俺のこと助けようとして、そのせいで足の上にあんな重たい荷物落ちて骨折して、、、。でも、頭とかじゃなくて本当に良かったです。」

「そうですよ！足の怪我で済んだし、山口さんが責任感じることじゃないです。幸い実家がこの近くで親にも来てもらえますし、山口さんは気にせず会社戻ってくださいね。」

「ありがとうございます。では、一度社に戻って仕事済ませてきます。あの、、、こちらに居られる間は色々お手伝いさせてくださいね。」

山口さんは、何度も何度も頭を下げて会社に戻って行った。

俺が勝手に手伝って怪我しただけなのに、却って申し訳ないことしたな、、、。

でも、山口さんかなり気にしてるし、こっちにいる間に飯でもご馳走してもらおうかな。

その方が山口さんの気も晴れるかもしれないな。

それはさておき、姫乃への連絡はどうしようか。

今日はまだ水曜日。

姫乃がこちらに来るのは金曜日の夜だから、それまでは変に心配を掛けるような連絡はしない方が良いだろうか。

どうせただの骨折だしな。

この時の俺は、それはそれは呑気に考えていた。
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