ズルくてもいいから抱きしめて。
慎二との待ち合わせ場所である公園の入り口に着くと、車椅子に乗る男性の後ろ姿が見えた。
車椅子姿は見慣れていなかったけれど、その男性の後ろ姿には見覚えがあった。
癖のある柔らかい猫っ毛の頭、私はあの髪に触れるのが大好きだった。
彼が居なくなってから、街中で同じような髪型を見付けると心がざわついた。
いつからだろう、、、?
愛しいと思っていたあの髪が、思い出したくもない過去になってしまったのは、、、
私はざわつく気持ちを落ち着かせるため、樹さんから貰った合鍵をそっと握りしめて、深く深呼吸をした。
大丈夫。
もうあの頃の私とは違う。
私はそう自分に言い聞かせて、慎二の元に歩みを進めた。
◇
「こんにちは、、、慎二。」
そばに行って私が声を掛けると、慎二はそっと視線を上げて複雑そうに笑った。
「こんにちは、、、えっと、、、とりあえず座って。」
慎二に促され、私はそばにあったベンチに腰掛けた。
よく2人で来ていた公園。
慎二はいつもここで写真を撮っていて、私はそんな彼の姿を見るのが大好きだった。
「この公園、懐かしいね。」
「うん、、、よく2人で来てたね。」
慎二もあの頃の思い出が蘇ったのだろう。
私たちは、この懐かしい公園の景色をただ眺めていた。
車椅子姿は見慣れていなかったけれど、その男性の後ろ姿には見覚えがあった。
癖のある柔らかい猫っ毛の頭、私はあの髪に触れるのが大好きだった。
彼が居なくなってから、街中で同じような髪型を見付けると心がざわついた。
いつからだろう、、、?
愛しいと思っていたあの髪が、思い出したくもない過去になってしまったのは、、、
私はざわつく気持ちを落ち着かせるため、樹さんから貰った合鍵をそっと握りしめて、深く深呼吸をした。
大丈夫。
もうあの頃の私とは違う。
私はそう自分に言い聞かせて、慎二の元に歩みを進めた。
◇
「こんにちは、、、慎二。」
そばに行って私が声を掛けると、慎二はそっと視線を上げて複雑そうに笑った。
「こんにちは、、、えっと、、、とりあえず座って。」
慎二に促され、私はそばにあったベンチに腰掛けた。
よく2人で来ていた公園。
慎二はいつもここで写真を撮っていて、私はそんな彼の姿を見るのが大好きだった。
「この公園、懐かしいね。」
「うん、、、よく2人で来てたね。」
慎二もあの頃の思い出が蘇ったのだろう。
私たちは、この懐かしい公園の景色をただ眺めていた。