夫婦未満ですが、子作りすることになりました
結婚前に子作りを
翌朝、まだ約束まで一時間もあるのに準備を終えた。あの日と同じピンクベージュの勝負ワンピースがしわにならないよう、姿勢よくベッドに座ってスマホを手に取る。
【昨日はありがとう。明日菜が言ってたとおり、遺伝子が目当てだったみたい。今日は挨拶がんばってくるね】
相談にのってもらった明日菜には、一応伝えておかなければ。結婚自体を反対されるかもしれないけど、それについては一晩考えた私の決意は揺るがない。
予想通り、メッセージに既読がついたとたんに電話がかかってきた。
「はい。もしもーー」
『遺伝子目当てってどういうこと凛子!』
キンと耳に響く。すんごく怒ってるな明日菜。
「だから昨日話してた通りだったの。本当に政略結婚のご令嬢までいたんだから。すごいよね」
『それでどうして今日挨拶に行くことになるの! そんな結婚はお断りでしょ!? 凛子自身を好きになってもらわないと!』
思考回路が同じで、フフフと笑みがこぼれた。もうそれは一度悩んだことだから。それでも結婚したいと結論が出ている。