夫婦未満ですが、子作りすることになりました
明日菜の話はあまりにも悲しい結末だが、現実離れしているとは思えなかった。零士さんと幸せになる未来より、なぜかその捨てられる未来のほうが何倍も身近で、リアルに想像できたのだ。
子宮があるお腹の奥がえぐられるように重くなってくる。心臓に合わせてジンジン痛む。
『凛子、聞いてる?』
子どもができなければいくら私が優秀な遺伝子を持っていたところで、神代家にとっては意味がない。私自身は必要ないのだから夫婦でいる理由もない。間違いなく捨てられる。若葉さんに奪われる。そうなったら、耐えられる?
「……ありがとう明日菜。もう時間だから、またね」
『ちょっと凛子!』
「あとで報告するから」
これ以上考えたくなくて電話を切った。
結婚してもらえるだけで今より幸せになれると思っていた。それは甘かったかもしれない。傷付く未来にビクビクしながら結婚して、今よりボロボロになるのかも。それでも零士さんに会いたいなんて、私はおかしいのかな。