夫婦未満ですが、子作りすることになりました
「こちらが春川凛子さん。結婚を前提に付き合ってる」
「春川です。はじめまして」
「まあ、凛子さんね。零士から聞いていますよ。よろしくね。さあ座って座って」
お母様のすべすべの両手で手を握られ、優しく座布団の席へと引っ張ってくれた。座った後もお父様が「わざわざ来てくれてどうもありがとう」と声をかけてくれて、着物の店員さんからお茶を受け取って私の前に出してくれる。
なんだか予想と違う。すごく優しいご両親じゃない?
「凛子さん足を崩していいのよ。疲れたでしょう?」
「い、いえ、大丈夫です」
さっそく始まったお食事を美味しくいただきながら、私はリラックスしていく。テーブルマナーや言葉遣いを注意されるかと覚悟していたのに、むしろ気にしないでと促されるし。
「零士がこんな素敵なお嬢さんを連れてくるなんてうれしいわ。自分から好きな女性を紹介してくれることなんてなかったから」
「おい、母さん」
「零士ったらね、今はこうして御曹司らしくしているけど、昔は頑固で。絶対に継ぐもんかと駄々をこねる子でね。それがお嫁さんまで連れてきて、本当に安心したわ」
「そういう話はいいから」
ちっとも非常識には感じない。歓迎してくれるご両親に恵まれて、私って幸せ者?