夫婦未満ですが、子作りすることになりました

「ええ!?」

『凛子のご両親もいるでしょ?』

「父は大学だけど、母なら」

『それじゃ、お母さんも同席してさ。だって家を巻き込んでの婚約だったんだから、向こうだって凛子の親に会いに来なきゃ不公平じゃない。証人よ証人』

母か。そういえば、さっきはあんな感動的なことを話していたが、そもそも零士さんとの結婚についてはゴリ押ししていた。それも理想の押し付けだった気がするが……おそらく、私の捕らえた魚が大きすぎたせいかもしれない。

「うちのお母さんちゃっかりしてるから、別れるなって言いそうなんだけど……」

『大丈夫。そのための私だから。隠れて聞いててあげるから、凛子が言いくるめられそうになってたら加勢するよ』

なぜ私の別れ話がこんな大がかりに。でも、これまでの経緯から、もう私自身の判断は信用ならない。力を借りた方がいいかもしれない。
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