夫婦未満ですが、子作りすることになりました
「凛子があなたにプロポーズされたって言うから嘘だと思ってたんだけど、今日来てくれてやっと信じられたわ」
「ひどい! お母さん、信じてなかったの?」
私と母のやりとりを見て、零士さんは今度はクスクス笑っている。いけない、和やかな雰囲気になってはダメだ。早く私から切り出さないと。
「……お母さん。それに、零士さん。そのことなんですけど」
仕切り直すと、シンと静かになった。
「私、やっぱり零士さんと結婚できません。ごめんなさい」
膝に手を置き、頭を下げる。母からはなにも聞こえないが、零士さんの「え?」という短い言葉が聞こえた。
おそるおそる頭を上げ、彼と向き合う。目を見開いて口も開けていた。それが焦りに変わって歪んでいく。今までまったく見たことのない表情だ。
「え……凛子? なに? どういうこと?」
彼は腰を上げて浅く座り直し、母ではなく完全に私に体を向ける。