夫婦未満ですが、子作りすることになりました

宿泊棟へ行ったらきっと人が多いだろうから、あまりいないところへ行こう。会場から一番遠くの会議ホールとか。

すれ違うホテルマンに不審な目で見られながら人目の少ない通りに入り、今日はどれも使われていない会議ホールのうち一番奥の部屋の扉を開けた。

「おい、誰だ。勝手に入ってくるな」

「えっ」

誰かいる。私より年上の、綺麗な男の人。

「だあれ? せっかく零士さんとサボってたのに」

あと、私より年下の小学生くらいのかわいらしい女の子。こちらはピンクの棒つきキャンディを口に入れてモゴモゴと話している。ふたりとも正装をしていて、女の子はふんわりとしたオレンジのドレスを着ていた。

「すみませんっ。神代製薬のパーティーに母の付き添いで来ていたのですが、疲れてしまったので休もうかと……」

正直に話すと、彼はフッと意地悪に笑った。

「ああ。わかる。疲れるよな」

この人は何者なの?
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