夫婦未満ですが、子作りすることになりました

「あなた方は?」

私がそう尋ねると女の子がキャンディを口から離して「それはね」と鼻息荒く説明しようとしていたのだが、男性は彼女の口を手で塞ぐ。

「若葉、ペラペラ喋るな。そうだな、俺たちも関係者だ。ああいうパーティーは面倒だからここでサボってる。……まあ、俺がサボってるところに、勝手にコイツが来たんだが」

「零士さん、ひどい! 私は婚約者でしょ!」

「嫌だよ。なんで俺が子どもを相手にしなきゃならないんだ」

仲がいいんだか、悪いんだかよくわからない人達だ。それでも兄弟みたいで微笑ましい。

「じゃ、じゃあ、私はお邪魔しちゃうのでこれで……」

場違いな気がして、その場から離れようとした。すると、

「おいっ、若葉! どうした?」

明らかに同様した彼の声が聞こえてきた。

「ん……んんっ……」

女の子はまばたきの止まらない目をキョロキョロさせ、苦しそうに喉を押さえている。言葉も出ないようだ。どうしたんだろう、様子がおかしい。よく観察してみると、彼女の足もとには、白くて小さな棒が落ちている。
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