シニアトポスト
「人の死は、いつも突然やってくる」
「…、」
「…どうして人は思ってもいないことばかり吐いてしまうんだろうね。莉央ちゃん、君はどう思う?」
マスターの声がやけに鮮明に耳に届く。この喫茶店には2回しか来ていないはずなのに、どうしてこんなにもマスターに心を許してしまうのだろう。
胸が苦しくなった。
――どう思う?
どうして私は、あの日莉乃にあんな言葉をかけてしまったんだろう。
どうして、私は。
「君は、本当は彼女のことを"嫌い"だなんて思っていないだろう?」
「っ、」
「分かっていたはずだ。苦しかった時期があったかもしれないけど、それでも彼女がそばに居てくれて嬉しかった。君を1番支えてくれていたのは彼女だって、本当はちゃんと分かっている。喧嘩するほど仲が良いというだろう?」
マスターに言われ、1番奥に重い蓋をしていた想いが溢れ出す。
莉乃と私の関係を、“喧嘩するほど仲が良い”と、そんな柔らかい言葉で表現しても良いのだろうか。
けれど そう思う反面、もう吐き出していいんだよ。もう心の声を殺さないでって、私の中の私が、そう言っている気がしたのだ。