最後の一夜が授けた奇跡
後ろから私の体をギュッと抱きしめて、私の肩に顎をのせる律樹。

「起こしちゃった?」
「いや。目が覚めた。夢で桔平が泣いててさ」
「すやすや寝てるでしょ?」
「あぁ。ぐっすり。沐浴、ギャン泣きだったもんな。」
「ふふっ。そうだね。」
病院で沐浴するのと家とではいろいろと勝手が違う。
律樹も私も汗だくになりながらぎゃん泣きする桔平を沐浴させた。

その光景を冷静になってから思いだして思わず笑う私たち。


「季里」
「ん?」
律樹が私の肩に顎をのせたまま、大きな窓から見える夜景を見る。

「あの夜のこと」
「ん?」
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