紅一点
「お前達、待たせたね。
方針が決まったよ。
ハオ、おいで。」
社長に手招きで呼び寄せられ、
デスクの前に進んだ私に、
彼は視線を向け、楽しそうに笑う。
「なんで、淳之介と雅也が
一緒について来るんだい?
お前達、親心でも芽生えたかい?」
無意識だったのか、
二人は気まずそうに
口元をゆがめる。
「いや、俺は…契約書の
作成があるので…」
「アタシは、ハオの
保護者だもの。」
“まぁ、いい。”
そういって、社長さんは
これからの私の表向きの仕事と
裏稼業について、
説明してくれるのだった。