紅一点
4章 side 淳之介
探偵社で働き始めたハオ。
まぁ、探偵社とは表向きの
様相で、本業は、裏稼業だ。
一見、遊女のペット探し、
駆け落ちの情報収集、
遊女に肩入れする
旦那衆の身辺調査等が
主な仕事…みたいに
世間は思ってる。
時には、自分を売った親に
一泡吹かせてやりたいって、
依頼も来たりする。
そういう依頼は、こちらも
ノリノリ全力でこなすが
実はメインは違う。
いや、話が逸れた。
ハオが表の仕事で、池田屋に
出入りするに従い、
彼女の持ち込んだ文化も
遊女の間に広がってきた。
新たな情報の影響で
服飾系の知識がある遊女は
ハオの持ちこんだ
ファッション雑誌から
型紙を起こして洋服を仕立て、
売上金から、返済金を
完済したりして、
池野屋を感心させていた。
ハオも、雑誌の写真では
隠れて見えない
細部についてなど
質問に応えていた様だ。
ちなみに、ハオが
手放したものは一式
教則本も含め、
重蔵がリサイクル品として
販売した。
…その所有権をめぐって
つかみ合いのケンカを
していた事は、
記憶に新しい。