紅一点
「…それ、俺のせいかもな…」
って、重蔵が
微妙な表情を見せた。
…はぁ?どういう意味だ?
「重蔵?」
訳を話せと誘導するも…
まさかっ!!
「まさか!!アンタが、
ハオの相引きの相手?!
アンタ達、仲悪いじゃない!!
なにそれ?!
学問所の子供みたいに、
好きな子をイジメる
アレなのっ!?」
思い当たった理由に
思わず取り乱してしまう。
「はぁ?!何で、俺が
あんな色気もない
ガキンチョとどうにか
なると思うんだよ!」
余程、気に入らないのか
重蔵は、食い気味で
反論してくる。
「アレだよ。俺は、その…
お前が、こまめに池田屋に
通ってて、贔屓にしてる女が
いるって言っただけだよ。」
「ちょっと!やめてよ。
勝手にバラさないでよ。」
おいおい、何してくれんっだよ!?
「でもさ、それで淳之介は
太夫に会いに行けるんじゃん。」
「だけど!!」
…知られたくないんだ!
格好悪いじゃない。
お嫁さんもいないうえ、
こんな性的欲求を、遊郭で
満たしているだなんて。
言葉をつまらせれば。
「いや、アイツなら
話しても理解してくれそうな
気がしねえ?」
重蔵は、のんきにのたまう。
理解どころか、
病気の心配されそうだよ!
ちなみに、池田屋は、早々に
定期検診を導入していた。
そういえば、池田屋は
この間はハオの世界の
電脳世界に接続して、
“産業医”なんてのに
興味を示していたな。