紅一点
 

「そんじゃあ、まぁ…
寝るとするかしらね。
お嬢がああいってんだから、
なんか面白いこと
やるんでしょ。

淳之介、アンタは帰りな。
ハオは私が明朝連れて行くわ。」

太夫がハオの両足首を
掴んで引きずり
襖で仕切られた寝所へ
連れて行く。

「え?ちょと待って、
こんな酔ってんのに、
アタシだけ帰れっての?」

いや、コレ、どんな仕打ち?!

「アンタ、家族連れで
遊郭に泊まるとか
バカ言うんじゃないわよ!
ここは温泉施設かっ!」

“…ぐっ…重いわね…
にわかアスリートが!”
太夫が酔いと、寝た子の
重さで真っ赤な顔をして
毒を吐く。

「大体ねぇ!遊郭ってのは、
オトナのエロを
愉しむところよ。
(注:異世界個人の見解)

花魁と川の字で寝ていいのは
古今東西ガキンチョとVIPだけって
相場が決まってんのよ!

それが分かれば、今直ぐ
お帰んなさい!」

ゼーゼー言いながら
太夫が、ハオに布団をかけた。

しかし、まぁ…
よく寝るわね…この子。

普通、起きるでしょ!?


  
 
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