紅一点
7章 side ハオ
  

翌朝、太夫に叩き起こされ
共にジャージ姿で
淳之介の待つ家に帰る。

「淳之介ただいまー。」

玄関を開けると、仄かに
鰹出汁の良い香りが広がる。

「ハオ、おかえり。
太夫も、ほら、ご飯まだでしょ?
早く食べて毛利のところへ
行くわよ。っつーか、
アンタ達のそのダッサイ服は
なに?!」

私達を迎えに姿を見せた
淳之介は、文句半分、
照れ半分でそういう。

だけど、私は知っている。
鍵を開ける前から
スッゴイ足音がしたもの。

ホントは、待ってて
くれたんでしょ?

淳之介は、とても
大きくてやさしい人。

ここに帰ってくると
安心する。
   


 
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