紅一点
 

探偵事務所の扉を
開けた瞬間

「おっそーい!!」

聞きなれない
女のヒトの拗ねた声がして、
私達は、3人揃って
そちらを見遣った。

そこにいる?宙に浮かぶは、
半透明の「「遊女?」」

淳之介と太夫が
思わずといったように
声を漏らした。

太夫が果敢に、透けた
女の子に手を伸ばし、
華麗に通過している。

…心なしか、
太夫に似ている。

「…ねぇ、コレってVR…?
まさか、池田屋(ネエ)さんが作ったの?」

私が寝落ちしている間に
池田屋(ネエ)さんが
何か思いついたらしいって
淳之介が言ってた。

まさか、コレを?!

この姐さんのスペックって
マジで一体どうなってるの?!
驚愕してスケスケの遊女に
視線を向けた。

「さすがに、ハオは知ってた?」

そう言って、池田屋さんは
ホホホと笑む。

「さすがに、私も、
この技術はなくってよ。
だから、知人にこの子を
作ってもらったの。

ハオの世界じゃ、
AIってものがあるっていうから
その技術を搭載してもらったの。
おかげで学習力が素晴らしいの。
常に進化しているそうよ。

ハオより数倍早く太夫になれるわ。
電脳空間の…だけどね。」

AIですとっ!?
最先端技術ですか!?
…え?違う?…わかんないや。

…とにかく、
若干ディスられている
気がするのは、
気のせいではないはずだ。


 
 
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