紅一点
しかし…
新しい技術を組み合わせて
仮想遊女を生み出すとは…
池田屋さんは、これからも
先を見据えた投資するのだろう。
わざわざ異世界に
遊郭を作った人間が
いたくらいだ。
電脳空間の女の子に
ヤリタイ放題などと…
煩悩を抱えるクズは
一定数いるだろう。
…イヤ、もう、これは
完全に飛び出すエロゲーの
発想じゃないか?
…なんか、許せんな。
そんなクズには
天誅をくれてやろう。
「…しっかし、
スゴイ時代になったねぇ…
人間じゃない遊女を
育成するだなんて」
所作など指導を仰せつかった
太夫が、電脳遊女の髪を
ナデナデしながら
しみじみと言う。
VR少女も、まあまあ
ナデナデが、お気に召したの
だろうか?満更じゃない表情を
している。
探偵社の社長まで、興味津々で
カノジョをガン見している。
「VRというのですか。
中々かわいいものですね。
そういえば、この子は、
太夫に寄せているのですか?」
社長の言葉を、池田屋さんは
大きな頷きでもって肯定した。
「あのブローカーを
カモってやるのだから
この子は、奴らが仲介した
女の子の容姿を模倣したの。
この子の武器になるわ。
さて、アナタのお名前は
何にしましょうかね。」
池田屋さんが、小首を傾げて
名前を吟味している。
その間にも、カノジョは
その音声を認識して
自分の名前を提案し始めた。