紅一点
「ホントに賢いわね。
確かに最短時間で
電脳空間を仕切れる様に
なりそうだわね。」
太夫は、相当、この
AI遊女をお気に召したのか
早速、何やら教え始めている。
その様子を眺めていた
淳之介が徐に口を開いた。
「それで、この子を使って
どうするつもりなの?」
“そうねぇ…”と、池田屋さんが
愉しげに微笑む。
「どうしようかしら?
ハオ、何か提案はあって?」
そう問われれば、
こう返すしかないよね。
「身ぐるみはいで、
1円までもぎとって、
見せしめにシバき倒して
専門店に売り飛ばす。
っで、こいつらに娘がいたら
同じ目に合わせてやりたい。」
腹に一物抱えてるのって
私だけじゃないでしょ?
他にも犠牲者いるんでしょ?
私が纏めて制裁してやる
くらいのつもりで言えば、
言い終わると同時に
頭頂に激痛が走った。
「ぎゃああああ!」
「オマエはどこのマフィアだ。
このアバズレが。
当事者以外に、腹いせに
リベンジをかますなど
こちらの法度でも通用するか。
あー…いってぇ…石頭だな。
おはようございます。」
掌あたりをさすりながら
弁護士がいう。
そうか。私に鉄拳を
加えたのは、雅也らしい。
「暴力弁護士。」