婚約破棄するはずが、一夜を共にしたら御曹司の求愛が始まりました
「紅」
彼に名前を呼ばれると、胸がきゅんと甘く疼く。以前はそんなことなかったはずなのに……これは一体いつからだろう。ドキドキして、彼の顔をまともに見れない。
「さっきの写真、もし不快な思いをさせたんなら悪かった。紅が嫌なら発売は差し止めさせる」
宗介は真剣な顔でそう言ってくれた。彼がやると言うのなら、本当にそうしてくれるのだろう。だからこそ、紅は慌ててしまった。
「違うの! 差し止めとかそんなことはしなくていいから。宗くんの仕事の邪魔だけはしたくないから……」
「あの雑誌ひとつで揺らぐような商売はしてないよ。だから、紅の本心を教えて。正直に言えば……嫌だと思ってくれたなら俺は嬉しいんだけどな」
優しい彼の微笑みを前にして、紅は観念した。ゆっくりと口を開く。
「正直に言うと……やきもちをやいた。モモちゃんとの関係を疑ってるわけじゃないけど、ふたりお似合いだから……憧れのモデルさんとお似合いな宗くんが遠い存在に思えて、寂しくなった」
「遠くない。俺はここにいるよ。今も昔もこれからも、紅が望んでくれるならずっとそばにいる」
宗介は紅の両手をぎゅっと握りしめて、甘くささやいた。
(望んでも、いいのかな。宗くんの隣で、これからもずっと……)
そばにいたい。そばにいて欲しい。そう思うのに、言葉にして彼に伝えることはできなかった。
彼に名前を呼ばれると、胸がきゅんと甘く疼く。以前はそんなことなかったはずなのに……これは一体いつからだろう。ドキドキして、彼の顔をまともに見れない。
「さっきの写真、もし不快な思いをさせたんなら悪かった。紅が嫌なら発売は差し止めさせる」
宗介は真剣な顔でそう言ってくれた。彼がやると言うのなら、本当にそうしてくれるのだろう。だからこそ、紅は慌ててしまった。
「違うの! 差し止めとかそんなことはしなくていいから。宗くんの仕事の邪魔だけはしたくないから……」
「あの雑誌ひとつで揺らぐような商売はしてないよ。だから、紅の本心を教えて。正直に言えば……嫌だと思ってくれたなら俺は嬉しいんだけどな」
優しい彼の微笑みを前にして、紅は観念した。ゆっくりと口を開く。
「正直に言うと……やきもちをやいた。モモちゃんとの関係を疑ってるわけじゃないけど、ふたりお似合いだから……憧れのモデルさんとお似合いな宗くんが遠い存在に思えて、寂しくなった」
「遠くない。俺はここにいるよ。今も昔もこれからも、紅が望んでくれるならずっとそばにいる」
宗介は紅の両手をぎゅっと握りしめて、甘くささやいた。
(望んでも、いいのかな。宗くんの隣で、これからもずっと……)
そばにいたい。そばにいて欲しい。そう思うのに、言葉にして彼に伝えることはできなかった。