へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 俺が魔法界の王子だって知っていて
 面倒を見てくれている。



 ま、クララは魔法界生まれで。

 親父の元、家庭教師だし。

 魔法界生まれ、人間界育ちの
 俺の母さんと親友だし。


 
 俺がどれだけワガママ言っても、
 わめいても。

 笑顔でスルーする技を
 身につけていて。



 お互い気を使わない関係が
 楽以外のなにものでもない。



「春ちゃんと王子に
 おやつ持ってきたの」

 と、クララのにんまり笑顔に。

 

「苺大福だぁ」


 
 ケーキを目の前にした子供みたいに、
 目を輝かせた春輝。




 背後霊が
 やっと俺から離れてくれたって、
 ホッと一息ついたのに。


 クララの口から出た言葉に

 俺の体に、ビリビリと電気が走った。

< 222 / 421 >

この作品をシェア

pagetop