へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
俺が魔法界の王子だって知っていて
面倒を見てくれている。
ま、クララは魔法界生まれで。
親父の元、家庭教師だし。
魔法界生まれ、人間界育ちの
俺の母さんと親友だし。
俺がどれだけワガママ言っても、
わめいても。
笑顔でスルーする技を
身につけていて。
お互い気を使わない関係が
楽以外のなにものでもない。
「春ちゃんと王子に
おやつ持ってきたの」
と、クララのにんまり笑顔に。
「苺大福だぁ」
ケーキを目の前にした子供みたいに、
目を輝かせた春輝。
背後霊が
やっと俺から離れてくれたって、
ホッと一息ついたのに。
クララの口から出た言葉に
俺の体に、ビリビリと電気が走った。