へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
みんなには内緒で、グッズを売ってくれる
事務のおばちゃんにしかバラしていなかった
アミュレットオタク愛。
マトイにバレたかどうか、ドキドキな私。
もうマトイに対して
鬼マネージャーを演じる余裕すら
残っていない。
って、それもバレてるみたいだから。
この際、もう、どうなったっていいか。
「マトイ……これはですね……」
「捨てるわけ?」
「え?」
「この部屋にある、俺らのグッズ。
全部、ゾルックの物に、変えるわけ?」
あいつらのマネージャーになったんだもんなと
付け足したマトイは
私から視線を逸らしたまま
床を睨みつけているけれど。
その瞳は、なぜか弱々しい。
どんな言葉をかければ
マトイが笑顔になってくれるかなんて、
私にはわからない。
7年も
この子たちのマネージャーをしていたのに。