【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
後ろを向かせると、首にかかっているタオルがするりと床に落ちる。 一瞬朔夜さんの手が止まる。 彼の視線は私の首元に向けられた。
さっきお風呂の鏡で見た光景が浮かび上がる。 思わずソファーの上で身を縮め目を瞑る。
きっと朔夜さんは気づいている。 それでも何も言わずにブラシでゆっくりと私の髪を梳いて、オイルをつけてドライヤーを充てた。
気が付いているのに何も言わない。その優しさが嬉しくて、心がとても痛い。
「一緒に行こうな。」
「え?」
「昨日言ってたじゃん。俺と行きたい場所が沢山あるって…」
「あはは、あんなの私のただの願望です…。誰ともああいう場所行った事がなかったから…」
「願望じゃねぇよ。横屋敷の家を出たら、休日はいくらでも好きな場所に連れて行ってやる。
まりあは俺と一緒にこのマンションで暮らせばいい。 俺も、お前と色々な場所に一緒に行きたい。
きっと楽しいと思う。」
「優しいね、朔夜さんはやっぱり。」
「別に、普通じゃん?
それより今日は…」
「今日は大丈夫。智樹さん2日間出張って行ってたから、帰って来るの明日だと思う。
坂本さんには連絡しておく。 坂本さんは…私の味方な様な気がする。」