転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
「これはまた……いい商品だな。大人になるのが楽しみだ。高く売れそうだ」
顎に手をかけられ、背筋がぞくりとする。
(……この人達、人身売買をしているの……!)
また、じわじわと目に涙が浮かんできた。
隣にいる男の子が、少しばかりアイリーシャの方に身を寄せてくる。力づけるように、腕に手をかけられ、ようやく息を吐きだした。
「そっちの坊主もおとなしくしておけ。いいな」
そちらには視線をやらなかったから、男の子がどう返したのかはわからない。けれど、かすかに首を振る気配がした。
おとなしくしている二人の様子に満足したらしく、男は部屋を出ていく。声を潜めるつもりはないらしく、隣の部屋の会話がここまで聞こえてくる。
「娘の方は、どうするんだよ?」
「いつものやつに連絡すれば、すぐに買い手はつくだろ。どうせ、警備が緩くなるまでは逃げ出せない」
「そうだな、しばらくは動けないし……あれだけの美貌なら、欲しがるやつは山ほどいるか」
縄を解かれたことで、ようやく落ち着きを取り戻したアイリーシャは、男達の会話をしっかりと記憶した。
顎に手をかけられ、背筋がぞくりとする。
(……この人達、人身売買をしているの……!)
また、じわじわと目に涙が浮かんできた。
隣にいる男の子が、少しばかりアイリーシャの方に身を寄せてくる。力づけるように、腕に手をかけられ、ようやく息を吐きだした。
「そっちの坊主もおとなしくしておけ。いいな」
そちらには視線をやらなかったから、男の子がどう返したのかはわからない。けれど、かすかに首を振る気配がした。
おとなしくしている二人の様子に満足したらしく、男は部屋を出ていく。声を潜めるつもりはないらしく、隣の部屋の会話がここまで聞こえてくる。
「娘の方は、どうするんだよ?」
「いつものやつに連絡すれば、すぐに買い手はつくだろ。どうせ、警備が緩くなるまでは逃げ出せない」
「そうだな、しばらくは動けないし……あれだけの美貌なら、欲しがるやつは山ほどいるか」
縄を解かれたことで、ようやく落ち着きを取り戻したアイリーシャは、男達の会話をしっかりと記憶した。