転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
「あなたが、爆発事件を起こしたそうですね? どうやったのか教えてください」

 問われて、アイリーシャは目を瞬かせた。ミカルはまっすぐにこちらを見つめていて、彼の追及を逃れられるとは思えなかった。

「教えてください。あなたの年齢で、あれほどの威力を持つ魔術を放てるというのは、めったにないことなんですよ」

 ぐいぐい来るミカルから、どうやったら逃げられるというのだろう。頭をフル回転させた結果、アイリーシャが選んだのは。

「ご――ごめんなさぁぁぁぁぁい!」

 ここは必殺、泣き真似であった。ついでに、涙も流しておいた。
 ミカルの追及を逃れられるとは思わなかったが、見てくれは五歳児である。

「だって、怖かったんだもん! わかんないー! うわぁぁぁぁんっ! 頭いたいー!」
「ミカル殿! 娘は被害者ですぞ!」

 ぎゅっと側にいる父に抱き着いたら、父はミカルをとがめる声を上げた。

「――申し訳ありません。ですが、五歳にしてあれだけの魔術を発動させるというのは、史上初めてなんですよ!」

 父の胸に顔をうずめながら、アイリーシャはびくりと肩を跳ね上げた。

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