転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
「色が変わるの?」
「そう。火属性なら、赤、水属性なら青というように。色の強度によって、どの属性を強く持っているかがわかるんです」

 今まで、属性を持っているか否か、どの程度の強度なのかということは、観察者の経験によるところが大きかった。
 ミカルの言うことが本当ならば、大変な発明と言うことになる。

「その石をどうするの? 痛くない?」
「まずは手首に、それから肘まで滑らせます。それだけだから痛くありません」

 ミカルはアイリーシャの右手首に水晶のような石を置く。ひんやりとした石にアイリーシャの体温がうつって、少しぬるくなった。
すると彼はその石をゆっくりと肘まで滑らせる。

「――なんだ、これは」

 火を表す赤、水を表す青、風を表す緑、そして土の茶。それらは、きっちり円盤を四等分していた。そして、目が痛いほどに輝いていた。

「――大変だ!」

 それを見たとたん、ミカルは顔色を変えた。

「失礼します、公爵閣下! 近いうちに、お話をすることにしましょう!」

 礼儀など忘れ去った様子のミカルは、大股に部屋を出て行ってしまう。

(嫌な予感しかしないんですけど……!)

< 71 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop