オレンジ色のお姫様
「酷いよなぁ、小百合たちならまだしも、ヒロまで黙ってるとか!」
海世くんだけが、知らなかったんだよね
私が陸上やってたってこと
「いや、まず気付けよな」
ヒロくんはそう言って、コツン、と海世くんの頭を叩く
確かに、ヒロくんたちは私の名前で知ったんだもんね...
「あ、やべ俺もう行かないと
じゃあまたな!」
海世くんはふと、そう言って鞄とシューズケースを持って教室を出ていった
「カイ、部活復帰してから順調にタイム上げてるらしいな」
ヒロくんは私を見ながらそう言って、
「そうみたいだね...!」
と返す。