オレンジ色のお姫様
家に帰ると、課題を済ませて、お昼が過ぎた頃に
ジャージに着替えた
「あら、今から走りに行くの?」
玄関でランニングシューズを履いていると、リビングからお母さんが顔を覗かせた
「うん、夕飯までには帰るよ!」
「そう、行ってらっしゃい!」
海世くんに秘密を打ち明けた日の夜、私はお母さんにまた走りたいってことを伝えたんだ
お母さんは泣きながら喜んでくれて、なんだかとっても暖かい気持ちになった
部活を辞めたあの日から、お母さんは私に陸上の話をしなくなった
多分、ずっと心配してくれてたんだと思う...