腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「……光?
仕事、大丈夫か?
お前も……引き継ぎしないといけないだろ?」

「大丈夫。
後任になるのは、今お母さんが育てている中森太一くん。
賢人と同じ歳なんだけどね、長年、人事部長をしてくださった、中森さんのご長男なの。太一くんは、いずれ幹部への道を歩むことになる予定だから、予定が早まっただけよ。
それに充分力もある。
お母さんが育てているんだもの。
間違いないわよ」

「そうじゃない。
お前の気持ちの問題だ。
……踏ん切りつきそうか?」

賢人……。
決して自分本位にならず、私の気持ち、私のキャリアを考えてくれようとする。
優しい人だ。

「心配ないよ。
秘書の仕事は好き。
でも、この2日間で、生涯お一人様予定だったのが一転して、どうやら夫が持てるみたいなの。
だったら、思いっきり私の将来を軌道修正しなきゃ。
仕事は代わりの人が出来るわ。
でも、賢人のパートナーは私だけ。
代わりのきかない仕事よ?
私、ワクワクしてるの」
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