腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
そして今、私は大聖堂の入り口に父と共に立っている。



共働きで、私達姉妹の子育てを積極的にしてくれた父。私は小さい時、父の寝かせ付けじゃないと、なかなか寝なかったと聞いている。
いつも優しく抱き上げてくれる父が大好きだった。常にそばに寄り添ってくれた。

そして、今、新婦側の一番前の席で待っているであろう母。母は私の目指す目標。

冷静でちょっと毒舌だけど、この人に任せておけば大丈夫という絶対的な安心感を感じさせてくれる人。

母も実は教育者。HASEGAWAで何人もの新人を立派に育て上げているのは母だ。
もちろん私も社会人として生ていく術を母から学んだ。

そんな忙しい中でも、冷蔵庫には常に沢山の作り置き惣菜が常備されていた。家族の健康を考えた料理が沢山あって、私はそれが当たり前だと思って育った。自慢の母だと思う。

私は2人の娘に生まれたことを誇りに思う。

「お父さん、今まで育ててくれてありがとう。
私ね、お父さんとお母さんの子で良かったよ。
うちのね、皆んなで好きなこと言い合える雰囲気が大好きなの。
いつも私とメグの事を一番大切に考えてくれているお父さんとお母さんが大好き。
私も同じような家庭を作りたいの。
賢人と幸せになるね。
お父さんとお母さんみたいな家庭を作るから。
見ててね」
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