私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
不安そうに撫子を見つめる琥珀の言葉に、彼女をベッドに寝かせながら答えた。
「どうかな。見てみないとなんとも。琥珀は手桶にぬるま湯を入れて持って来てくれ。あと手拭いも」
「うん、わかった」
そう返事をして消えたと思ったら、琥珀はすぐに手桶と手拭いを手に戻って来た。
「はい、尊」
「悪い。そこのテーブルに置いておいてくれ。琥珀はもう下がっていい」
ベッドのそばのテーブルを指差すと、琥珀は「うん」と神妙な面持ちで返事をして手桶と手拭いを置いてこの場からいなくなる。
琥珀の気配が消えるのを確認して、撫子の袴の腰紐を緩めたら彼女が目を開けた。
「……み……こと?私……」
「気を失ったので、屋敷まで運びました。背中にも怪我をしているようなのでこれから私が見ます」
撫子にそう話したら、彼女は身体を見られるのが恥ずかしいのか起き上がろうとした。
「いい!たいしたこと……ない」
「ダメです。放ってはおけません」
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