私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
感謝の気持ちを込めて礼を言うと、彼は優しく微笑んで部屋を出て行く。
紅羅が現れて今まで止まっていた歯車がまた動き出した。
彼女の手に自分の手を添えながら誓う。
「命にかけてもお前を守るよ」
しばらくじっと撫子を見つめると、琥珀を呼んだ。
「琥珀」
呟くようにその名を口にすると、彼が現れた。
「どうした、尊?」
「度々すまない。お前に頼みがある。俺と隼人は数日留守にするから、撫子のそばにいて守ってくれないか?」
俺の話を聞いて、彼は行き先を尋ねた。
「いいけど、どこに行くの?」
「赤鬼の一角が封印されていた湖だ」
包み隠さずに伝えると、琥珀はゆっくりと頷く。
「そうか。何か罠があるかもしれない。気をつけて」
彼の忠告に「ああ」と返事をすると、俺の式神が戻ってきた。
「春乃さまは無事にお送りしました」
「ご苦労。早速で悪いが、次の任務だ。琥珀と一緒に撫子を守ってくれ。俺は数日出かける」
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