私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
普通、痣って小さくなっていくものじゃないの?
身体はそんなに悪くないのに、どうして?
尊は何も言わずに真剣な眼差しで私の痣に手をかざす。
だが、痣は小さくならなかった。
「変わりませんね」
尊は静かな声でそう言うが、感情を抑えているように感じた。
尊も少なからずショックを受けているのかも。
今まで彼が治せない傷はなかった。
「尊はこの痣、妖の仕業だと思う?」
気になって聞くと、彼はその瞳を翳らせながら答えた。
「恐らく」
わー、ますます重い雰囲気になっちゃった。
ここは明るく振る舞わないと。
「ねえ尊、そんな暗い顔しないで。痛みはないんだもの。そのうち消えるわ。取り敢えず包帯でも巻いておこうかな。友達がビックリするかもしれないもの」
ハハッと笑う私を彼はじっと見る。
何か言われるかと思ったけれど、彼は部屋に置いてある救急箱を持ってきて包帯を手に取った。
「巻くのは私がやります。お嬢さまがやるとグルグル巻きになりますからね」
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