私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
丁寧に包帯を巻いた後、彼は私の着替えを手伝った。
「今日の着物は桜色なのね。素敵だわ」
無邪気にそんな感想を口にする私に彼は冷ややかに言った。
「この着物の色なら、怪我をしてもすぐわかりますからね。もし、怪我をしても隠さずに言ってくださいよ」
彼の苦言にかしゅんとなって返事をした。
「はい」
その後、いつものメンツで学校に行く。
私は昨日寝ていて気づかなかったが、隼人は一度風磨家に帰って、今朝うちに戻ってきたらしい。
学校に着くと、いつものように尊が私の手の甲に口付ける。だが、いつもと違ってその顔は真剣だった。
彼が私の手を離してすぐに去るかと思ったのだけれど、今日は一緒に来たみんな私に手を振らず一緒に校門を抜ける。
「屋敷に戻らないの?」
尊に尋ねると、彼は校舎を指差した。
「私たちは教室には入りませんが、ちょっと校内を調べて回ります」
昨日の私の怪我のこともあって、妖がいないか確認したいのだろう。
「学校の許可は?」
< 167 / 241 >

この作品をシェア

pagetop