私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
小さい頃何度尊にせがんでもこれだけは触らせてくれなかったのに、私につけるなんて余程のことだ。
得体の知れない妖が学校内にいるかもしれない。
「ええ。でも、万が一の時のお守りです。石が黒く光ったら、そばに妖がいますから逃げてください」
真剣な眼差しで告げる彼の目を見て返事をした。
「わかったわ。そういうことならちょっとだけ借りる。また下校する時に返すわね」
出来れば光らないでほしい。
妖なんていなかったわって尊に笑って報告したい。
「では、またお迎えに上がります」
校門前で尊がそう言って私に軽く手を振ると、春乃が現れて私に抱きついた。
「撫子、よかった〜。目の前で倒れるから心配したんだよ、もう!」
涙目で言う彼女の肩を抱いて、ポンポンと優しく叩いた。
「ごめん、ごめん。でも、もう完全復活したから」
「でも……この手の包帯は?」
彼女が心配そうに痣のある方の手に目を向けたので、手をぶんぶん振り回して見せた。
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