私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
やはり、自分でも神隠しの件を調べてみよう。
尊がいない今がチャンスだわ。
ニヤリとする私を見て、私のところにきた春乃が少し引き気味に言った。
「撫子、その顔なんか怖いよ。悪巧みしてない?」
「いいえ。ちょっと甘味処に寄って帰ろうかなって思っただけ」
笑ってそう誤魔化したら、彼女は目を微かに見開いて驚いた。
「充分悪巧みだよ。真っ直ぐ帰らないの?」
「こんな機会滅多にないわ。尊に監視されず、羽根を伸ばせるのよ」
どうせ今日も帰ったら、華道や日舞の習い事がある。
神隠しのことを調べるついでに息抜きしよう。
この時期桜だって綺麗なのに、満足に花見もしてないんだもの。
少しくらいいいわよね。
「うーん、撫子は尊さんに監視されていた方がいいと思うけど。それに今日は家に帰った方がいいんじゃないかな」
ちょっと心配性な彼女に明るく微笑んだ。
「大丈夫。あんみつでも食べたらすぐに帰るわよ」
あとちょっと聞き込みをしたらね。
「じゃあ、私も付き合う」
< 18 / 241 >

この作品をシェア

pagetop